株っと自転車日和

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RXD3にP ZERO ROAD TLRをインストール

PIRELLI P ZERO ROAD TLR 700×28C

今回は私の愛車 Metrix 30 EQにロード用ホイールとタイヤをインストールした話。

「そもそもグラベルロードなのになぜロード化するの???」って話だが、その答えは一つしかない。「だって9割方舗装路しか走らないんだもん」。グラベルロードというジャンル自体が(主に欧州の)バイクメーカーによって作為的に作られたものだとするならば、日本人が一時それに流されつつもやがて本質に気付くのは自明の理。私は、それを踏まえた上のさらに後発組(2023年参入)となるわけだが、元々このバイクを買った目的が目的なだけあって、グラベルという要素はそこまで重要視していない。

もっとも、TPOに応じてホイールを入れ替えるのが前提の話ではあるのだが。

ホイールの選定

さて、まずホイールは何にするか。正直、車体本体価格がクロスバイクにちょいプラスした程度で、速さを求め(られ)るマシンでもないので、見た目重視で良いだろう。ディープリムは予算的に厳しいけど、ミドルハイトでリムが黒系、新車装着のホイールより軽くて、ちゃんとしたメーカーならぶっちゃけ何でも良い…。

そこで候補に挙がった、と言うかほぼ一発で決定したのがALEXRIMSのRXD3 

なぜALEXRIMS?という点については、かつて同社のリムを使っていて馴染みがあったのと、前後セットで定価10万円未満の商品としては軽い(公称で1,600g)、そしてその割にリムが黒でハイトが30mmある事。もうこれだけ。

ちなみに、かつては良コスパホイールとしてそこそこの人気?知名度?があったそう。と言うのも、2018年9月時点の定価が5万5000円(税込)。安いね、安過ぎる。確かにコスパは良いわ。では、2024年の今はどうか。なんと定価8万8000円(税込)です。はいはい、インフレですよね、わかってますよ。

過去の価格を知ったらちょっと買う気が失せたが、買わないわけにはいかない。と言うか、ライバルメーカーの商品も軒並み値上がりしているので、これはスポーツサイクル界全体の潮流であり避けようがない。そう自分に言い聞かせ、ポイント還元アップの日を狙い、なんとか実質6万ちょっとで新品購入。

タイヤの選定

平日忙しいのもあって、ホイールは買ってからしばらく放置していたが、重い腰を上げてタイヤを発注したのがその1週間後。その間にも、RXD3がチューブレスレディ(TLR)に対応している事から、TLR化するか、そのメリット・デメリットについて色々と情報収集していた。悩んだ末の結論としては、「今チャレンジしなかったら多分二度とやらないだろうからとりあえずTLR化しよう」というものだった。

TLRタイヤのメリット・デメリットについては、ネット上に散々情報が出ているので、初心者の私が今更書くような事はない。ただ、TLRは各社ともミドルグレード以上の商品にしか設定がなく平均価格が高い。加えて、上手くインストールできなかった場合のバックアップに初期投資がかさむ(導入コストが意外とかかる)のは、タイヤを取り付ける以前のデメリットとして存在するという事で強調しておきたい。

肝心のタイヤだが、色々と比較・検討して、Panaracer AGILEST DURO TLRとPIRELLI P ZERO ROAD TLRの二択に絞った。日本人として、と言うか、国内メーカーを応援する意味でアジリストデューロにずっと傾いていたのだが、もたもたしているうちに、不運にも購入しようと思っていたサイトで品切れになってしまった。そこで、若干高くはなるが、P ZERO ROADの方に傾きが変わった。そうは言っても、自動車の方でピレリのタイヤを履いていて馴染みがある事と、RXD3が黒いリムに白いロゴなので同じカラーリングで調和が取れていること等、積極的に選ぶ理由もあるにはあったのだが。

購入価格は1本あたり6,600円くらい

いよいよTLRタイヤのインストール

RXD3にせよP ZERO ROADにせよ、ネット上で検索をかけても、あまりユーザーが多くないのかインプレッションが見当たらない(まあそりゃ私があえてメジャーではなくマイナーを選んでいるから当然っちゃ当然なのだが)。そんなこんなで難易度もよくわからないまま、ネットの情報を頼りにリムを拭き掃除し、リムテープを貼るところからスタート。

  • リムテープパナレーサーの23mm 10mで1,500円くらい。
  • チューブレスバルブもパナレーサーの66mm こちらは2,600円くらい。
  • レザインのデカめのチューブレス用タイヤレバーも導入。2本で1,200円。

はい、無理。

まずもって、片側のビードをホイールにはめる時点で硬すぎる。それはまあタイヤレバーの向きを変えて引っ張ったり工夫してどうにかなったが、この調子ではもう片側のビードをはめるなんて100%無理。実際、親指でグリグリできるところまではやってみたが、タイヤに強めテンションがかかっているので、一方をはめるともう一方が外れて行ってしまう。要はいたちごっこの状態。

テープ貼りからトータルで2時間は格闘したが、これは指の力だけでどうにかなるものではないと察知し、諦めることに。

後日、飛び道具を追加

  • グランジのタイヤインストール。1,400円くらい。
  • シュワルベのクリップ付きタイヤレバー3本セット。700円。
  • 同じくシュワルベのイージーフィット。1,200円。
  • BARBIERIのCO2インフレーターは2,000円

これだけあればさすがにどうにかなるだろうと思ったら、どうにかなった。

結論としては、タイヤインストールとシュワルベのタイヤレバー(使うのは3本中2本)のクリップ機能、この2点だけでインストールは楽々と成功した。

タイヤインストールは、形状を見れば何となく察しがつくかと思うが、テコの原理でビードを引っ張り上げる道具である。ビードを手ではめられる限界まで行ったら、まずは両脇をタイヤレバーのクリップで外れないように留める。そして後はタイヤインストールで端から少しずつビードを上げる→クリップをずらすを繰り返すだけだ。そうすることで、ほとんど力を使う事もなく、指を痛める事もなく、気持ちいいくらい早く、楽にタイヤがはまる。

ちなみに、今回、イージーフィットはおろか、石鹸水も一切使っていない。当初から指の力ではまらない事は明らかだったので、石鹸水を使ったところで意味はないし、それなら極力余計なものは中に入れたくないから。その分タイヤにダメージを与えてしまうリスクはあるが、TLRのP ZERO ROAD 28Cはトレッドが厚く、タイヤサイドもかなり硬めなので多少雑に扱っても大丈夫…だと思う。

鬼門であるビード上げも、フロアポンプで普通に上がった。そりゃあれだけ硬かったら嵌合性も良くないとおかしいでしょって思うのだが、どうやらRXD3のように設計が古いホイールほどTLRタイヤをはめるのは大変で、P ZERO ROADのように設計が新しいタイヤほどビードは上がりやすいらしい。本当かどうかは知らんが。

インストールは成功したけど…やっぱりやり直すか

さて、フロントホイールに先にインストールしたのだが、空気圧を6bar程度に上げて置いておくと、バルブ付近から明らかにシューという音がする。そしてものの1、2時間でタイヤがベコベコになる(笑) 最初はパナレーサーの動画に倣ってボールペンの先でリムテープにバルブホールを空けていたので、もう嫌な予感しかしない。何回か空気を入れ直したが何度やっても同じでさすがにこれはアウトだろうとなり、タイヤインストールという安心感もあることだし、リムテープを貼り直すことになった。

翌日、リムテープを貼り直し、今度はキリを使ってバルブ部分に最小限の穴を空け、あとはバルブ本体でグリグリとタッピングのように穴を広げるやり方にした。こうする事でちゃんとバルブの径に沿った穴になったので、やはりあのやり方はどうなのかと思う。再度6barまで空気を入れ一晩放置。翌朝触って確認してもパンパンのままだったので成功だろう。当然この段階ではシーラントを入れていないので、嵌合性が良いからシーラントなしでもいけちゃう?と淡い期待を抱く。

リアは、リムテープの貼り方が雑だったせいか、フロントよりは空気の抜けが早い気がしたが、このくらいならシーラントでどうにかなるはず、と一発で成功という事に。

シーラントを入れ、完成

シーラントはSTAN'S NO TUBESという定番商品。これをTERUMOの30ml医療用シリンジで注入。使用量については人によってバラつきがありよくわからなかったが、とりあえず最初という事で65mlずつ入れた。ホイール全体に行き渡らせて一日放置。翌日、フロント、リアともに空気の抜けはほとんどなかったので問題ないだろう。

結局、初めてのTLRタイヤインストール作業は、ホイールが届いてから3週間ちょっと、実際に作業を始めてからは1週間ちょっとでの完了となった。

感想:タイヤインストールはマジで便利