2024年6月25日(火)、アネスト岩田株式会社(以下、アネスト岩田)の第78期定時株主総会に出席してきた。
会場はアネスト岩田の本社。神奈川県は横浜市港北区に所在するが、駅から離れた立地であるため東急東横線・日吉駅と横浜市営地下鉄ブルーライン・新羽駅の2駅からバス送迎がある。また、なるべく公共交通機関利用で…と案内されてはいるものの、自家用車で来ている株主もちらほら見受けられた。会場は100名程度のキャパで、出席株主数は80~90名程。
本総会の実際の流れはアネスト岩田が質疑応答を含め公式に動画で公開しているため、詳細は割愛する。
動画には映らない、現地にいた者として感じた部分は簡単に以下の通り。
- 金融関係者と思しき出席者も複数見受けられ注目度の高さをある程度は感じる
- OBや代理店関係者によるプレイヤーレベルでの発言が多い
- 特定の株主による不規則な発言を許す等、総会進行は円滑さをやや欠いている。質問は総会の目的事項に限るとか、1人1回までにするとか、もう少し公平性と円滑さを意識してほしい。
総会は1時間10分程度で終了。
その後まもなく、会場を移して株主懇親会(希望者のみ)を開催。具体的には、カフェテリアのようなスペースで軽食が提供され、各々が自由に喫食するスタイル。特に進行役の案内があるわけでもなければ、役員を囲んで歓談というわけでもなく、あくまで役員が傍に立ち、意欲のある株主が個々人でアプローチするといった類のもの。この後に続いて開催される事業所見学会に参加する株主にとっては15分程度の短い時間だった。
事業所見学会(希望者のみ)は、無線イヤホンを用いて各エリアで従業員が肉声案内をしていくスタイル。アネスト岩田の本社は元々「本社・工場」だったが、近年、工場については福島工場をメインとしており、本社は本社機能の他、所謂R&Dと顧客向けの商談、ショールーム機能を併せ持った対外向けの施設になっている。そのため、展示は一種の資料館のように充実しており、実機で用力を入れたデモンストレーション等もある。各展示の解説には実際の現場の従業員が携わっているためリアルな話も聞けるし、何より配置人数の多さからしてもアネスト岩田の本気度がうかがえた。見学会は50分程度で終了。
通しでは2時間超の長丁場ではあったが、元々ほんの一部の塗装関連製品を除きBtoB色の強い企業という印象があって、ここまで広報に力を入れているのは意外だった。また、冒頭にお土産の写真を選んだように、総会時の冷たい飲料水の配布と懇親会での軽食提供と併せて、近年廃止の潮流になっている出席株主へのおもてなしの面についても継続して実施しており、良い意味での「異端さ」が感じられる有意義な総会であった。